枕の高さの測り方|体格からは決まらない。寝て合わせるのが確実

カテゴリ: 寝つけない

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目次
  1. 手順①タオルで高さを作って、実際に寝る
  2. 手順②寝返りが打てるか確かめる
  3. 手順③合った高さをcmでメモする
  4. 壁を使う方法をどう扱うか
  5. 測った数字の使い方
  6. まだ買わなくていい場合

先に、いちばん大事なことを書きます。身長や首のすき間から、自分に合う枕の高さは決まりません。

枕の高さの研究を集めた2021年の総説(Healthcare 9(10):1333)は、体格の計測値と好ましい枕の高さの関係を調べた研究を比較したうえで、こう述べています。

Anatomical body measurements are not good predictors of optimal pillow height. (解剖学的な身体計測値は、最適な枕の高さの良い予測因子ではない)

同じ総説は、あおむけの推奨値も研究によって7cmと10cmに割れており、最適な高さについて確かな結論はまだ出ていないとしています。

つまり、実際に寝て合わせる以外に確実な方法はありません。 以下はそのための手順です。

手順①タオルで高さを作って、実際に寝る

作り方は枕が高いと感じた夜の応急処置のとおりです。バスタオルを二つ折りにすると1枚およそ1〜2cm。1枚ずつ足しながら、次の2つの基準で確かめます。

あおむけ — 体軸に対して、首が15度ほど前に傾く状態が目安です。この角度は整形外科の枕調整で使われている基準で、84名を対象にした研究でも「あおむけで頸椎が寝床の面から約15度前傾」を調整基準としています(同研究では首の痛みの自己評価が3か月で6.8から4.1に低下し、42名が臨床的に意味のある改善を示しました)。

角度を測る必要はありません。目で見てあごが引けて喉が詰まる=高すぎ、あごが上がって喉が反る=低すぎ、そのあいだを探せば十分です。

横向きファルマシア誌の解説は、調整法をこう書いています。

横向きに寝て,そのときに顔の中心線と胸の中心線が一直線になって,しかも水平面と平行になれば,それが理想的な高さの枕とされている

肩の厚みの分だけ、あおむけより高さが必要になります。人間工学の実験でも、快適な高さはあおむけで2〜6cm、横向きで5〜10cmと寝姿勢によって変わることが報告されています(日本人間工学会, 2008)。

手順②寝返りが打てるか確かめる

高さが合っていても、寝返りで頭が落ちたり首がねじれたりするなら実用になりません。仰向けから横向きへ、左右とも返ってみてください。

寝返りの回数には大きな個人差があります。健常成人8名を3日間調べた研究では1日24±9.8回(6〜38回)、別の研究では女性の平均16回に対し男性59回と報告されています。「一晩に何回が正常」という基準はないので、回数ではなく、返りやすいかどうかで判断します。

手順③合った高さをcmでメモする

いちばん眠りやすかった構成の厚みを、頭を乗せない状態で定規で測り、0.5cm単位で書き留めます。商品ページの「高さ◯cm」と条件をそろえるためです。

いつも寝る向きで測ってください。 自分では横向き寝だと思っていても実際は違うことがあり、日本の実測研究でも「アンケートによる普段の寝姿勢(寝始めの姿勢)とあまり一致しなかった」と報告されています。何日か試して、いちばんよく眠れた構成を採用するのが確実です。

壁を使う方法をどう扱うか

「壁に背をつけて、首と壁のすき間を測る」という方法を見かけます。だいたいの見当をつけるには使えますが、それだけで決めないでください。

立った姿勢で壁からの距離を測って枕を作った研究は実在します。ただし冒頭の総説は、体格計測値と枕の高さの好みに統計的な関係を認めなかった研究が複数あることを紹介し、予測因子にならないという立場を示しています。実際、寝床の柔らかさで体の沈み込みは変わるため、立位の値がそのまま当てはまらないのは自然なことです。

日本の整形外科系の解説も、調整法として挙げているのは**「横向きに寝る→顔の中心線と体軸が一直線→寝返りをチェック」**であって、立位での計測ではありません。

測った数字の使い方

商品ページの仕様欄にある「高さ◯cm」と、メモした実測値を突き合わせます。

  • 実測値に近いものを候補にする(差は1cm程度までを目安に。これは実用上の線引きで、研究で定まった基準ではありません)
  • 絞れないときは、中材の出し入れやシートで高さを調整できるものを選ぶ。タオルでやった微調整が枕でもできます
  • 体重が変わると沈み込みも変わります。参考値として「5kgの変化で高さは5mm程度変化する」という記述があります

まだ買わなくていい場合

今の枕が高いだけなら、タオルの応急処置で今夜から調整できます。低いなら、枕の下にタオルを足すだけで済むこともあります。

測ってみて「高さは合っているはずなのにしっくりこない」なら、高さ以外(へたり・素材・形状)の問題です。次の買い替えの判断基準に進んでください。