敷きパッドの素材の選び方|Q-maxの数字は条件が違うと比べられない

カテゴリ: 寝つけない

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目次
  1. Q-maxの数字は、条件が書いていないと比べられない
  2. 「ひんやり」が続かないのは、測っているものが瞬間だから
  3. 汗・蒸れが悩みなら、水分率の高い素材
  4. 素材のほかに確認する3点
  5. 買う前に、まず試すこと

敷きパッドの素材は、悩みが「触れた瞬間の暑さ」か「夜中の蒸れ」かで選び方が変わります。

  • 布団に入った瞬間の暑さがつらい → 接触冷感
  • 夜中の蒸れ・寝汗がつらい → 麻・綿などの吸湿性が高い素材

働きが違うので、悩みと逆を選ぶと「思ったより変わらない」になります。

Q-maxの数字は、条件が書いていないと比べられない

商品ページでよく見る「Q-max 0.○○」は、JIS L 1927:2020(繊維製品の接触冷感性評価方法)で測る値です。規格上の定義は「皮膚と生地とが接触した時の初期熱流束の極大値」、単位は W/cm² です。

ここに落とし穴があります。測定条件によって基準値が変わります。

日本繊維製品品質技術センター(QTEC)が公開している基準は次のとおりです。

測定条件 接触冷感性ありとする基準
ΔT=10℃(室温+10℃の板を当てる) q-max ≧ 0.1
ΔT=20℃(室温+20℃の板を当てる) q-max ≧ 0.2

カケンテストセンターも「JIS L 1927では、q max:0.100 W/cm2以上であれば接触冷感性の性能を有するとしています」(ΔT=10℃の条件)と説明しています。

つまり、A社の「0.35」とB社の「0.22」は、測定条件が違えば優劣を比べられません。 商品ページにΔTの記載がない数値は、他社と横並びにしないでください。比べられるのは、同じ条件で測ったことが明記されている数値どうしだけです。

なお0.1・0.2はいずれも試験機関の判定基準であって、法律で決められた表示規制ではありません。

「ひんやり」が続かないのは、測っているものが瞬間だから

Q-maxは接触した瞬間のピーク値です。持続する冷たさを表す数値ではありません。

この分野の測定原理をつくった京都大学の研究(繊維機械学会誌 34(10), 1981)は、こう説明しています。

qmaxは,熱源と試料の接触直後のごく短時間内に現われる.

同論文によれば、ピークが出るのは接触後0.2〜0.3秒後。そして生地の温度が皮膚表面温度(32℃)と等しくなれば、熱の移動そのものがほとんど起こらなくなります。

同じ場所に触れ続ければ冷感が弱まるのは、生地の質ではなく原理です。 寝入りを助ける素材であって、朝まで冷たい素材ではありません。夜通しの暑さ対策は冷房の設定が主役で、敷きパッドは補助と考えるのが実際に合っています。

冷たく感じる条件について、QTECは「熱伝導率が高く、肌との接触面積が大きい形状であるほど、冷たく感じます」と説明しています。1986年の家政学雑誌の研究でも「qmax値は表面の凹凸の大きいほど小さく、平滑な表面をもつものほどqmaxが大きい傾向」が確認されています。素材名だけでなく、生地の表面が平らかどうかでも変わります。

汗・蒸れが悩みなら、水分率の高い素材

素材が水分を含む量は、JISが繊維ごとに定めた「公定水分率」で比較できます(JIS L 0105:2020)。

繊維 公定水分率
麻(亜麻・ちょ麻) 12.0%
綿 8.5%
ナイロン 4.5%
ポリエステル 0.4%
ポリエチレン 0.0%

接触冷感の生地に多く使われるのはナイロンやポリエチレン系で、表の下側=汗を含みにくい側です。汗の量が多い人が接触冷感だけを使うと、湿気がこもって夜中の不快感が残るのは、この違いによります。

前掲の家政学雑誌の研究でも「麻のqmaxが大きく(冷たく)」「含水時に麻は冷たく感じられる」ことが確認されています。麻は、冷たさと吸湿を両立できる数少ない素材です。

素材のほかに確認する3点

  • 洗濯機で洗えるか — 敷きパッドは汗を受ける係なので、洗いやすさは素材と同じくらい重要です
  • 四隅ゴムの有無 — 寝返りでずれると、夜中に直すために目が覚めます
  • サイズ — 今の敷布団・マットレスの幅に合わせます

買う前に、まず試すこと

今ある綿のタオルケットを敷く側に回すだけでも、汗の逃げ場は作れます(綿の公定水分率は8.5%で、ポリエステルの20倍以上です)。手順は暑くて寝れない夜の記事にあります。それでも蒸れが残るときに、素材で選び直すのがお金を無駄にしない順番です。