安全に関する注意
暑さを我慢して寝るのは危険です。熱中症は就寝中にも起こります。保冷剤や氷枕を使うときは、タオルを巻いて肌に直接当てないでください。
まず、冷房をつけてください。目安は室温が28℃を超えないことです。風向きは水平か天井向きにして、体に直接当てないようにします。
我慢が損なのには根拠があります。環境省の熱中症環境保健マニュアルには、こう書かれています。
快適に眠れる室温の上限は28℃と言われ、寝具での調節は困難なため、冷房を使用する必要があります
寝具ではどうにもならない、と国が書いています。 同マニュアルは「夜間に気温があまり下がらない日には冷房をつけて寝ることも必要です」とも明記しています。
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023も、実生活下の調査として夏に寝室の室温が上がると睡眠時間が短くなり睡眠効率が低下することを紹介したうえで、「夏の寝室はエアコンを用いて涼しく維持することが重要と考えられます」としています。
28℃は「設定温度」ではありません
ここを取り違えると、暑いまま寝ることになります。環境省は同じマニュアルで、はっきり否定しています。
「クールビズ」で呼びかけている「室温28℃」は冷房の設定温度のことではありません。冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。そのような場合は設定温度を下げることも考えられます。
見るのは設定温度ではなく、実際の室温です。 設定28℃で室温が30℃なら、設定をもっと下げてかまいません。ただし24℃を下回るほど下げると外気との差が大きくなり、体の負担になる、とも書かれています。
やり方(3ステップ)
- 室温を見る。 温湿度計があれば枕元に置きます。暑さの感じ方は人によって鈍くなることがあり、環境省も「皮膚感覚で判断せずに、温湿度計で確認しましょう」としています。
- 室温28℃を超えないところまで設定を下げる。 切りタイマーを短くすると、切れた時刻に暑さで目が覚めます。環境省も「タイマーは少なくとも3〜4時間は使用しましょう」としています。
- 敷く側に、汗を吸う素材を1枚足す。 綿や麻のタオルケットを体の下に敷くと、背中の汗と熱の逃げ場ができます。暑い夜に差が出るのは、掛ける側より体が接している敷く側です。
それでも寝苦しければ、タオルを巻いた保冷剤や氷枕を、頭の下や背中が当たる場所に置きます。体を冷やしすぎず、触れている面の温度だけを下げるのがコツです。
冷房をつけても顔のあたりが暑いとき
冷たい空気は重いので、床の近くにたまります。 効いているはずなのに顔まわりだけ暑いのは、冷気が下に沈んでいるからです。
扇風機やサーキュレーターを足すなら、風は体ではなく天井へ向けて回します。エアコンの反対側の床に置いて、上へ。下にたまった冷気を部屋に混ぜるのが役目で、人を冷やすのが役目ではありません。
一晩中まわす道具なので、シーズンの初めに一度だけ確かめてください。 回り出しが遅い、モーターから異音がする、熱を持つ、焦げくさい——どれかがあれば使用を中止します。NITEによれば、エアコンと扇風機の事故は5年間で657件、うち火災が122件ありました。
なお2009年4月以降に製造された扇風機には、本体に製造年と「設計上の標準使用期間」が表示されています(長期使用製品安全表示制度)。何年で見直すかは、本体を見れば分かります。
「冷房は体に悪い」より心配なこと
東京都監察医務院が公表した令和6年夏の集計(東京都23区)では、熱中症で亡くなった306人のうち291人が屋内でした。そのうちエアコンが設置されていた216人を見ると、使っていた方は31人で、残りは使われていませんでした。
つけて寝ることのほうが、ずっと安全側の選択です。
これで解決しない場合
明け方に寒くて目が覚めるようになった — 冷やしすぎない設定に寄せます。風向きは天井向きのまま、設定温度を1℃ずつ上げて、目が覚めなくなった温度で固定してください。
冷房をつけても、背中の蒸れと寝汗が毎晩気になる — 差が出るのは、触れた瞬間の冷たさと汗の吸い方です。買い足す前に、今ある綿のタオルケットを敷く側に回すのが先です。それでも蒸れるなら、敷きパッドの素材の選び方で麻・綿・接触冷感の違いを確認してください。
なお、部屋の温度を下げても眠れない日が3週間以上続いているなら、暑さ以外に原因があります。眠れない原因を3つの質問で絞り込むに戻って確認してください。
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