寝室に湿度計を置くとき|表示の精度より、置き場所で決まります

カテゴリ: 寝具の手入れ

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目次
  1. なぜ湿度計を1つ置くのか
  2. 「±◯%」に、共通の合否ラインはありません
  3. それでも置く価値がある理由
  4. 気象庁がどう測っているかを借りる
  5. 選ぶときに見る3点
  6. 数字が信じられないときの確かめ方
  7. 数字が高かったときにやること

千円台のもので足ります。 ただし置き場所を外すと、精度がいくら高くても数字は狂います。

なぜ湿度計を1つ置くのか

このサイトで何度も「湿度計を置くのがいちばん確実で安い」と書いてきました。理由は、湿度だけは数字がはっきりしているからです。

目安 出典
ダニは湿度50%以下では増えられない 堺市保健所
ダニが繁殖するのは温度20〜30℃・湿度60〜80% 大阪府 茨木保健所
室内は40〜60%を目安に。60%超でカビやダニが出やすい 東京都の指針

そして、体感はあてになりません。 同じ湿度でも温度が違えば感じ方が変わります。手を入れて確かめられる硬さや高さと違って、湿度は測らないと見えません。

「±◯%」に、共通の合否ラインはありません

ここが商品を比べるときの落とし穴です。

湿度計にはJISがあります。**JIS B 7920:2000「湿度計-試験方法」**です。ただし適用範囲にこう書かれています。

この規格は,湿度計の校正方法及び性能試験方法について規定する。

規定しているのは「試験のやり方」であって、家庭用の湿度計が満たすべき精度の等級ではありません。

国が精度を確かめる仕組みもあります。気象業務法第9条にもとづく気象測器の検定で、対象に湿度計が入っています。ただし検定が必要になるのは、政府機関や地方公共団体が気象観測を行う場合、あるいは観測の成果を発表するため、または災害の防止に利用することを目的として観測を行う場合です。

自宅の寝室の湿度を見るために置く湿度計は、この仕組みの外にあります。

つまり、商品ページの「±5%」「高精度」は、各社が自分で決めた条件で出した数値です。他社の数字と並べて比べられません。

それでも置く価値がある理由

比べられないなら意味がないのか、というとそうではありません。使い方を変えれば十分に働きます。

絶対値ではなく、変化を見る道具として使ってください。 同じ湿度計を同じ場所に置きっぱなしにすれば、次のことは分かります。

  • 昨日より上がったか、下がったか
  • 窓を開けたら、どれだけ下がったか
  • 部屋干しをした日と、しない日でどう違うか
  • 梅雨に入って、どこまで上がったか

50%や60%という線をまたいでいるかどうかの判断も、置き場所さえ正しければ十分できます。求めているのは小数点以下の正確さではありません。

気象庁がどう測っているかを借りる

置き場所の考え方は、プロの測り方から借りるのがいちばん早いです。気象庁は、こう測っています。

断熱材を入れた二重の円筒に温度計と湿度計を入れて常に風を通しています

地面で反射した日射が直接当たるのを防ぐための遮へい板も付いています

日射を遮る。風を通す。反射を防ぐ。 この3つです。家庭で筒は用意できませんが、置き場所で同じことができます。

置き場所 判定
窓際・直射日光が当たる場所 ✕ 日射で温度が上がり、湿度の表示が下がる
エアコンの吹き出し口の正面 ✕ その風の湿度を測ることになる
壁や家具にぴったりつける ✕ 空気が動かず、壁の温度に引っぱられる
加湿器・洗濯物のそば ✕ その一点だけ高く出る
部屋の中ほど、空気が動く場所

高さも決めておきます。 気象庁は地上約1.5mで測りますが、家庭で知りたいのは寝床の湿度です。東京都の指針は「壁や床に近い場所の湿度を60%以下に」としています。床に布団を敷いているなら、布団の高さに置いたほうが目的に合います。 そのぶん数字は高めに出ますが、それが知りたい値です。

選ぶときに見る3点

比べられる数値がない以上、機能のほうで選びます。

① 温度も一緒に表示されるか。 相対湿度は温度で変わります。同じ水分量でも、室温が下がれば湿度の数字は上がります。温度が分からないと、湿度の数字だけでは読めません。

② 最高・最低の記録が残るか。 寝ているあいだの湿度は、起きている人には見られません。記録が残るタイプなら、朝に「夜中どこまで上がったか」を確認できます。

③ 電池が手に入りやすいか。 ボタン電池の型番が特殊なものは、切れたときに止まります。

そしてもうひとつ、精度の表示が「範囲とセット」で書かれているかを見てください。 たとえばタニタのTT-559は、取扱説明書で湿度の精度を「35〜75%で±5%、それ以外は±10%」としています。測る範囲によって精度が違うことまで書いてある製品もある、ということです。

ダニやカビの目安である50%・60%は、この「±5%」の帯の中に入ります。線をまたいでいるかを見るぶんには足ります。

数字が信じられないときの確かめ方

2台置いて、突き合わせるのがいちばん簡単です。 同じ場所に並べて置き、表示が大きく違えば、少なくともどちらかがずれています。近ければ、両方とも大きくは外れていないと考えられます。

千円台のものを2台買っても、数字を信じきれない1台より役に立ちます。片方は寝室、片方は押し入れや別の部屋、という使い方もできます。

なお、塩を使って湿度計を校正する方法がよく紹介されていますが、公的な手順として確認できる資料は見つけられませんでした。 ここでは書きません。

数字が高かったときにやること

湿度が60%を超えていたら、順番はこうなります。

  1. 窓を開ける。 東京都の指針は、就寝前に5分程度の窓開け換気をすすめています。対角線上に2か所開けると空気が流れます
  2. 布団を床から離す。 手順は布団の下の湿気対策にまとめました
  3. 除湿する。 エアコンの除湿か除湿機です
  4. 部屋干しの場所を、寝る場所から離す

湿度を下げたあとの手当ての順番は布団のダニ対策の優先順位に、寝具全体でどこからお金をかけるかは寝具にお金をかける順番に書きました。