枕は洗えるのか|洗濯表示がないのは法律の対象外だからです

カテゴリ: 寝具の手入れ

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目次
  1. だから、素材別の「洗える・洗えない」に公的な基準はありません
  2. まず洗うべきは、カバーのほうです
  3. 洗濯表示の読み方(枕カバー・シーツ用)
  4. 表示が変わっていることにも注意
  5. 洗える枕を選ぶなら
  6. 洗ったあとが、いちばん大事です

手持ちの枕に洗濯表示が付いていないなら、それは不親切なのではありません。枕は、法律で表示を義務づけられていない品目だからです。

消費者庁が公開している家庭用品品質表示法の対象外品目の一覧に、が明記されています。洗濯表示だけでなく、詰物や生地の組成表示も義務がありません。

いっぽう、枕カバー・布団カバー・敷布・毛布には、洗濯表示の義務があります繊維製品品質表示規程 別表第一)。布団本体は組成表示の義務のみで、洗濯表示までは求められていません。

つまり、寝具のなかで枕はいちばん情報が少ない製品です。洗えるかどうかは、メーカーが自主的に付けた表示だけが手がかりになります。

だから、素材別の「洗える・洗えない」に公的な基準はありません

ポリエステルわた、パイプ、そばがら、羽根、低反発ウレタン——素材ごとの洗濯可否を定めた公的資料は、探しても見つかりませんでした。 枕が法律の対象外である以上、これは当然の帰結です。

よく言われる「ウレタン枕は加水分解するから洗えない」も、そのままは書けません。日本ウレタン工業協会の説明では、加水分解しやすいのはポリエステル系のフォームで、クッション材に使われるポリエーテル系は耐水性に優れるとされています。手元の枕がどちらかは、公開情報からは判断できません。

結論として、頼れるのはその製品ごとの表示だけです。 タグや取扱説明書に「洗えます」「洗えません」と書かれていれば、それに従ってください。何も書かれていなければ、洗わない前提で扱うのが安全です。

まず洗うべきは、カバーのほうです

環境再生保全機構は、寝具について「カバー、シーツ類は週に1回は洗濯をしましょう」としています。

枕本体を洗えるかで悩む前に、カバーを週1回洗うほうが効果が確実です。カバーには洗濯表示の義務があるので、迷わず読めます。

洗濯表示の読み方(枕カバー・シーツ用)

洗濯記号は「こう洗いなさい」という指示ではありません。規格の目的は、回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理を示すことです。つまり上限の表示です。

記号 意味
桶のマーク 洗濯処理ができる
桶の中の数字 上限の水温(30・40・50・60・70・95℃)
記号の下の一本線 線がないものより弱い処理
記号の下の二本線 非常に弱い処理
桶に手のマーク 40℃を限度に手洗いができる
×印 その処理はできない(家庭での洗濯禁止)

数字が40なら「40℃で洗う」ではなく「40℃までなら大丈夫」という意味です。ぬるま湯でも水でもかまいません。

乾燥の記号も同じ正方形で表されます。縦線はつり干し、横線は平干し、斜め線は日陰。線が2本ならば脱水しないで干す(ぬれ干し)という意味です。

なお乾燥の記号だけは「〜がよい」という推奨の形で書かれています。ほかが「〜ができる」という上限の表示なのと対照的です。

表示が変わっていることにも注意

洗濯表示は2024年8月20日にJISが改正されました(消費者庁の告知)。経過措置は2025年8月19日までだったため、手元には新旧の表示が混在している可能性があります。

主な変更は、30℃を上限とする手洗い記号の新設と、アイロンの温度区分(200/150/110℃→210/160/120℃)です。古い枕カバーの表示をそのまま新しい基準で読まないよう、購入時期も確かめてください。

洗える枕を選ぶなら

法律で守られていない領域なので、買うときに条件として確かめるのがいちばん確実です。

  • 本体が洗えると明記されているか。 側生地だけ洗えるものと、中材ごと洗えるものは別です
  • 乾かし方が書かれているか。 枕は厚みがあり、中まで乾きにくい製品です。乾燥が不十分だとカビの原因になります
  • 中材を交換・補充できるか。 洗うより交換のほうが早い素材もあります

洗ったあとが、いちばん大事です

厚みのある寝具は、中まで乾かないとカビが出ます。日本ふとん協会は寝具の乾燥について、風通しのよい日陰で、竿に2本掛けにして十分に乾かすことをすすめています。

生乾きのまま使うと、洗う前より状態が悪くなります。黒い点が出たときの見分け方と対処は布団の黒い点はカビかダニかにまとめています。

枕そのものの高さが合っていない場合は、洗う前に枕の高さの測り方を確認してください。洗って戻らないくたびれ方なら、買い替えの判断基準のほうが役に立ちます。