就寝の1〜2時間前、40℃程度が目安です。 熱い湯に寝る直前に入ると、逆に目が冴えます。
なぜ「1〜2時間前」なのか
眠くなるのは、体の内側の温度が下がり始めるときです。厚生労働省の睡眠ガイドは、こう説明しています。
就寝前に、手足の皮膚血流が増加することで体温が外部に放散され、深部体温が低下し始めると、入眠しやすい状態となります
入浴は、この「下がり始め」を作るための手順です。湯につかって手足の血管を広げ、上がった体温が逃げていく流れに乗ります。
時間については、同じガイドがこう書いています。
実生活下で実施された研究からも、就寝の約1~2時間前に入浴した場合、しなかった場合に比べて速やかな入眠が得られることが報告されています
睡眠指針2014のほうは、もう少し幅を持たせています。「就寝 0.5~6 時間前の入浴による体温変化は、入眠の促進や深睡眠の増加といった睡眠の改善をもたらす」。幅は広いので、1〜2時間前に入れない日でも無駄にはなりません。
42℃以上は、逆になります
ここが見落とされやすいところです。睡眠指針2014は、はっきり書いています。
ただし、就寝直前に 42℃以上の高温浴を行うと、体温を上昇させすぎ心身を目覚めさせてしまうため、かえって入眠が妨げられることがある
すすめられている湯温はこちらです。
適切な時刻に 40℃程度の高すぎない湯温で入浴するのであれば
40℃程度、「ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりと」というのが指針の書き方です。熱いほど眠くなる、ではありません。
熱い湯を選ばせているのは、脱衣所の寒さかもしれません
では、なぜ熱い湯に入りたくなるのか。消費者庁の資料に、国土交通省の全国調査を引いた一文があります。
居間や脱衣所が 18 度未満の住宅では、湯温 42 度以上の”熱め入浴”が増加する、という研究結果
寒い脱衣所が、熱い湯を選ばせています。 直す先は湯温ではなく、脱衣所のほうだということになります。
消費者庁が挙げている入浴時の注意は5つです。
| 内容 | |
|---|---|
| ① | 入浴前に脱衣所や浴室を暖める |
| ② | 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安に |
| ③ | 浴槽から急に立ち上がらない |
| ④ | 食後すぐ・飲酒後・医薬品服用後の入浴は避ける |
| ⑤ | 入浴する前に同居者に一声掛ける |
この注意喚起は高齢者向けに出されたものですが、①と②はそのまま寝つきの話と重なります。 脱衣所を暖めれば湯温を上げずに済み、41度以下・10分までは睡眠指針の「40℃程度・ぬるめ」とほぼ同じ範囲に収まります。
背景の数字も添えておきます。同資料によれば、高齢者の家や居住施設の浴槽における死亡者数は、不慮の溺死事故の71%を占めています。
浴室に暖房がない場合として資料が挙げているのは、「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」といった方法です。先に湯気で浴室を暖めておく、という手順です。
時間が取れない日は
シャワーだけの日について、公的な資料で確認できる記述は見つけられませんでした。 睡眠ガイドが引いているのは湯船につかる研究です。
そこで、入浴が間に合わない日に代わりにできることを挙げておきます。どれも同じ睡眠ガイドが挙げているものです。
- 寝床に就く前に少なくとも1時間、家事や仕事に追われない時間を作る
- 就寝の約2時間前から、強い光を浴びない(寝る前の光をどう減らすか)
- 激しい運動は就寝1時間前まで。 ジムなら就寝の約2〜4時間前に終える
お風呂から出たあと、寝るまでの時間
湯上がりに部屋が暑いと、体温が下がりにくくなります。夏は先に部屋を冷やしておくと、上がった体温の行き先ができます。
布団の中の温度と湿気については、敷きパッドの素材で体感が変わります。素材ごとの違いは敷きパッドの素材の選び方にまとめました。
そして、湯上がりに眠くならなくても、寝床に入る時刻を早めないでください。 いつも寝ている時刻の2〜3時間前は、一日でいちばん寝つきにくい時間帯です。理由は布団に入ると目が冴えるときに書きました。
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