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決めるのは、起きる時刻だけで十分です。 布団に入る時刻を早めるほど、寝つきにくい時間帯に入っていきます。
いちばん寝つきにくいのは、いつも寝ている時刻の2〜3時間前
厚生労働省の睡眠指針は、はっきりこう書いています。
就寝する 2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最も寝つきにくい時間帯です。
0時に寝ている人なら、21時から22時あたりです。「明日は早いから今日は早く寝よう」と横になるのが、ちょうどこの時間帯にあたります。
同じ指針は、続けてこう書いています。
不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとしがちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。
目が冴えているのは、意志が弱いからでも、体質のせいでもありません。まだ眠れる時間帯になっていない、という説明がつきます。
「眠らなければ」が、目を冴えさせます
もうひとつ、指針が名指ししている原因があります。
特に、不眠を経験し「今晩は眠れるだろうか」という心配を持ち始めると、このことによって緊張が助長され、さらに目がさえて眠れなくなってしまいます。つまり、不眠のことを心配することで不眠が悪化するのです。
眠ろうとする意気込みや「眠れないのではないか」という不安が脳の覚醒を促進する、という介入研究の結果が根拠として挙げられています。
だから、布団の中でがんばる時間を短くするほうが、結果的に早く眠れます。 指針も、いったん寝床を出て気分転換し、眠気を覚えてから戻るようすすめています。
決めるのは、起きる時刻のほうです
指針が示している組み立て方は、就寝時刻ではなく起床時刻を固定する、というものです。
寝床に入る時刻が遅れても、朝起きる時刻は遅らせず、できるだけ一定に保ちましょう。朝の一定時刻に起床し、太陽光を取り入れることで、入眠時刻は徐々に安定していきます。
① 起きる時刻を決めて、そこだけ動かさない。 休日も大きくずらさないほうが安定します。
② 布団に入るのは、眠気が出てから。 就寝時刻は目安であって、守るべき約束ではありません。指針も「その日の眠気に応じて『眠くなってから寝床に就く』ことがスムーズな入眠への近道」としています。
③ 起きたら、光を入れる。 入眠時刻を前に戻していくのは、夜ではなく朝の光の仕事です。
寝つける時刻は季節や日中の活動量で変わる、とも書かれています。毎日同じ時刻に寝つくほうが不自然です。
寝床にいた時間と、眠っていた時間を分けて数える
厚生労働省の睡眠ガイド2023は、記録のとり方をこう示しています(高齢世代に向けた章の記述です)。
まずは自身の睡眠状態を1週間記録してみましょう。ポイントは、床上時間(床に入っている時間)と睡眠時間(実際に眠っている時間)を区別することです。
この2つを混ぜたまま「6時間しか寝ていない」と数えている人は少なくありません。実際には8時間布団にいて、眠っていたのは6時間ということが起こります。この場合、足りていないのは睡眠ではなく、布団にいる時間が長すぎるほうです。
目安として使える数字は次のとおりです。
| 目安 | 出典 |
|---|---|
| 成人が必要とする睡眠時間は6時間以上8時間未満 | 睡眠指針2014 |
| 高齢世代の床上時間は、1週間の平均睡眠時間+30分程度 | 睡眠ガイド2023(高齢者版) |
| 高齢世代は床上時間が8時間以上にならないことを目安に | 同上 |
記録はアプリでも紙でもかまいません。ただし計測アプリの数字には眠れずに横になっていた時間を睡眠と数えやすいという性質があります。読み方は睡眠を数値で見るときに分かることにまとめました。
布団に入る前の1時間に、何をしていたか
睡眠ガイド2023は、寝つきに関わる時間の目安をいくつか挙げています。
リラックスに1時間。 「寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われずリラックスする時間を確保することが有効です」としています。
光は就寝の約2時間前から。 眠りを促すホルモンの分泌は就寝の約2時間前に始まり、それ以降に強い光を浴びると分泌が抑えられます。具体的な下げ方は寝る前の光をどう減らすかにまとめています。
入浴は就寝の約1〜2時間前。 実生活下の研究で、この時間帯に入浴した場合のほうが速やかに寝ついたと報告されています。
激しい運動は就寝1時間前まで。 同ガイドのQ&Aは「就寝前1時間以内の激しい運動は夜の眠りを妨げる可能性があります」とし、ジムでの運動は就寝の約2〜4時間前までに終えるようすすめています。
それでも今夜、冴えているなら
すでに布団の中で目が冴えているなら、今夜できることは別にあります。明日やることを紙に5分書き出す方法を考え事が止まらない夜ににまとめました。寝床を離れていい理由も、そちらに書いています。
寝つけない日が3週間以上続いているなら、時刻の組み替えより医療機関に相談するほうが早く進みます。目安は医療機関に頼る4つのサインで確認できます。
寝つき以外にも心当たりがあるときは、眠れない原因を3つの質問で絞り込むから入ってください。
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