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寝つくまでの30分ならイヤホン、朝まで流すなら耳はふさがない。 この線引きに、数字の裏づけがあります。
朝まで流すと、1晩で目安を超えます
厚生労働省は、WHOが示している目安をこう紹介しています。
80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険がある
週40時間を1日に割ると、約5.7時間です。眠るあいだ6時間流せば、1晩でその週の枠を使い切ります。
しかも、気づきにくいという性質があります。
じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくい
そして、いちばん重い一文がこれです。
失った聴覚は戻りません
だから、朝まで流したい日は、イヤホンを使わないという切り分けになります。尺で選ぶ話は眠れない夜に流す音にまとめました。6時間のものを選ぶ日は、枕元に置いた端末かスピーカーで鳴らしてください。
音量には、比べられる数値がありません
耳栓には、どれだけ音を下げるかを示すNRRやSNRという数値があります(比べ方は睡眠用の耳栓の選び方に書きました)。
イヤホンには、これにあたる数値がありません。 スマートフォンに出る「音量50%」は、機種・イヤホン・耳の形で実際に鼓膜に届く音圧が変わります。他人の「50%くらいがちょうどいい」は、そのままでは参考になりません。
厚生労働省が挙げている予防の行動は、次のとおりです。
- 音量を下げる
- 連続して聞かずに休憩を挟む
- 大きな音を聞く時間を減らす
- 平均80dB未満に抑える
比べる数値がない以上、自分の耳で「小さめ」に寄せておくしかありません。「意識すれば聞こえる」くらいで足ります。
布団の中で充電しない
寝ながらイヤホンで、耳よりも先に確かめてほしいのが充電です。
消費者庁の注意喚起(令和7年10月2日)によれば、5年間でワイヤレスイヤホンの発熱・発火等の事故情報は64件、そのうち**充電中だったものが37件(75.5%)**を占めています。使用中の事故も報告されています。
ワイヤレスイヤホンを使っていたら爆発し、首をやけどして衣服が少し焦げた。
消費者庁が挙げている注意のうち、寝るときに直接あてはまるのが2つあります。
かばんや布の中などの熱のこもりやすい場所などでは製品や充電器を使用・保管しないようにしましょう。
布団の中は、まさに「布の中」です。 ケースごと枕元に入れて充電する、という置き方がいちばん避けたい形になります。
充電は、周囲に可燃物のない安全な場所で、なるべく起きている時、製品の様子が確認できる時間に行いましょう。
つまり、充電は寝る前に済ませる。眠っているあいだは充電しない。同じ資料は、スマートウォッチをつけたまま就寝してやけどをした事故にも触れ、就寝時の使用・保管に注意するようすすめています。
横向きで寝るなら、出っ張りの少ない形を
ここから先は形の話です。ただし先に正直に書いておくと、寝ているときの装着感について、公的な基準や試験は見つけられませんでした。 耳の形は個人差が大きく、他人のレビューが当てになりにくい領域です。以下は条件の整理として読んでください。
- 耳から飛び出さないもの。 横向きで寝ると、枕が耳を押します。出っ張りがあるとそこに力がかかります
- 耳の穴を強くふさがないもの。 遮音が強いほど良いわけではありません。理由は次の章です
- コードのあるものは、寝返りを想定する。 首に巻き込まないだけの長さと取り回しが要ります
目覚ましが聞こえる範囲で
耳をふさぐものを着けて寝る以上、目覚ましが聞こえるかどうかが前提条件になります。厚生労働省も、聴覚保護具について必要以上に遮音値の大きいものを選ばないよう求めています(睡眠用の耳栓の選び方に引用しています)。
あわせて、目覚ましの音は置き場所でも小さくなります。距離が2倍になると6dB下がるので、遠くに置くほど不利です。詳しくは目覚ましに気づかない朝にまとめました。
そもそも、耳をふさがずに済むなら
厚生労働省の睡眠ガイド2023は、できるだけ静かな環境で眠ることが良い睡眠につながるとしています。基本は静かなほうです。
音を流すのは、消せない音がすでにあるときの対処です。音そのものを減らす手順は隣の音・外の音で眠れないときに、費用のかからない順で並べました。窓のすき間をふさぐだけで足りるなら、耳に何も入れずに済みます。
耳鳴りや耳が詰まった感じが続いているなら、そこは音の環境を整えるより耳鼻科に相談するほうが早く進みます。
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